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10月 一陣の風 爽秋の惠泉塾

 去る8月14日に引退表明をされた水谷惠信先生は、その日から水谷幹夫と名乗られ、9月10月を相変わら

ずの忙しさで駆け抜けておられます。  「惠泉塾友の会」会報と共に送られてきた会員への「引退の辞」を読んで、淋しさと共に、一陣の風のような爽やかさ、潔さを感じた方は多いのではないでしょうか。ここにご紹介して、惠泉塾塾頭として陣頭指揮を執り続けてくださった先生への私たちの応答を促し、その労に報いるための記念とさせていただきます。  「私の恩師小池辰雄先生は、百歳まで現役で召団を導くおつもりでいらした。90歳を少し過ぎて往生あそばされるまで後継者を公にお定めにならず、その為の訓練も特別にはなさらなかった。その結果、残された群れは小さくなっていった。  私たち札幌キリスト召団と惠泉塾が今後共この盛んな活動を継続発展させることを望むなら、気に入らない人を排除するような心狭い人ではなく、共に歩くことを望むすべての人を統合して群れを導く心広い後継者たちを育成しなければならない。  私はその為に喜んで側面から援助したい。活力が残っている内にポストを引き渡す所以(ゆえん)である。人は実際にポストを与えられない限り、それに相応しく成長しないものである。(中略)今後は各拠点が自立した活動を展開することになる。その為には各リーダーが真剣に実力を養わなければならない。聖書の学びと祈り、隣人に対する愛の実践、労働による経済的自立、その上で、各拠点が相互に助け合い成長し合う協力体制を整えることが望ましい。  重ねて言うが今後私は頭(かしら)ではない。隠然たる勢力を保持する院政は敷かない。  二十歳から45年間、私は主に充分に仕えて来た。主も又、私を放置せず、よく面倒を見て下さり、助けて下さった。我が人生は神の為、と割り切って生きる時、毎日が実に自由で開放感に溢れた。同時に沢山の友人知人が私の欠けを埋めてくれて、仕事が力強く推進されて来た。彼らは主がこの仕事の為に掘り起こし呼び集めて下さった神の戦士である。彼らは他に類例を見ない程の純真な求道心に燃えている。彼らは極度にレベルの高い聴衆であり、逞しく信頼できる手足である。彼らによって姫路の学習塾も沖縄の訪問看護も発達障害への取り組みも岡山のオーガニック・レストランも命溢れる活動を展開していく。彼らは醜悪な世俗社会を変革し、神の国へと塗り変えていく。「時代を執り成す」という神から私への使命は、かくして果たされて行く。  あゝ何という素晴らしい幻を見ることだろう。かの日に私は彼らを待望の主を喜び迎えよう。マラナ・タ!主よ とく来たりませ。」