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7月 野の花のように、空の鳥のように ~折り返し地点に来た今年の塾生活~

 「何よりもまず、神の国と神の義を求めなさい。そうすれば、これらのものはみな加えて与えられる。だから

、明日のことまで思い悩むな。」(マタイによる福音書 6:33、34) 3月から始まった今シーズンの塾生活は11月末卒塾を睨んで折り返し地点に近づいた。それぞれの抱える課題、目標、今の悩み、苦しみは異なるが、6月の夏期福音特別集会を終えて、人はいかに生きるべきか、今年の“人生道場”も中盤戦を迎える。 聖書の世界に希望の光を見いだし、惠泉塾で生活できることの価値を見いだすことができた人は幸いだが、ここで生活することを束縛と感じ、苦痛と感じ、刻々過ぎゆく時間に焦りと不安を感じる人もいる。その人の心がどこに向いており、何を見ているか、それは一人一人意志で選び取るものであり、決して誰かの責任にすることはできない。願わくは、仮想現実から抜け出し、現実とこの大自然にしっかり向き合って希望を見いだすことができるよう、私たちは毎朝、聖書の神に向かって祈る。 Kさんは、アニメやテレビ、ケータイやネットにはまって暗いオタク生活を過ごしていたが、ついに立ち行かなくなり、精神神経科への入院を経て惠泉塾へ招かれたという30代の女性。長い間現実から遠ざかって今日まで来てしまい、引きこもり、緘黙、対人恐怖などの症状が強かった彼女だが、夏期福音特別集会に参加し、260人の信仰の大家族の交わりを見て心が動いた。自分もお客さんではなく、所属教会から転会して家族としてこの群れに加わりたい、と思ったそうだ。さらには、余市での再受洗も考えていると言う。 Oさんは、パニック障害や鬱などの症状で引きこもり、その後、病院での長い闘病生活からやっと脱け出して入塾を果たした40代の男性。ここでの生活訓練や塾作業を通して、病院のデイケアに通うよりずっと早く健康を回復し、坂道を上るように元気になっていけそうだと語ってくれた。今でも気分が変動して鬱状態になったり、神経過敏に苦しむことはあるが、ぜひ信仰で癒されたいとの強い希望を持っている。心の病と闘いながら「どうすれば、救われて本物の信仰がもてるのか?」と質問し、熱心に求道している。  Sさんは20代、最近少し疲れ気味で、意欲の減退に悩んでいる。「人生で本当に大切なものは何か、惠泉塾は教えてくれるところだと思うが、日々の農作業はきつい。避けて通ったら楽だったが、受験期に調子を崩して親の勧めでここへ来た。でも来てよかったと思っている。早く元気になって大学へ戻り、卒業したい」と語り、毎日熱心に塾日誌を綴っている。家族思いで心配性の彼は、帰りたい欲求と戦いながら現状に踏みとどまっている。 私たちは皆、神から離れて己を神とする生活がどんなに人生を破壊するものかを体験的に知り、惠泉塾へと救い出された者ばかりだ。与えられた生活を拒み、神のご支配を拒んではならない。神のご支配(神の国)の中でこそ悪魔は退けられ、欲望から解放されて互いに愛し合えるからだ。 天の父のご支配、聖霊のご支配を受け入れて生活の隅々にまで及ぶよう、祈り求めよう。神の国を求めた水谷先生の祈りは応えられ、惠泉塾が与えられたように、私たちの切なる求めに主は応えてくださる。自由な心と健やかな体が与えられ、一輪の野の花、一羽の空の鳥のように神様の愛に生かされる存在となる。創造神を喜び、生きることそれ自体を喜べるようになる。衣食住でもなく、お金でもなく、ただ、神の国と神の義を求めよう。