(詩篇42篇)
アルメロの町は人口2万9千人、その8割がカトリック信者だったそうだ。
噴火の晩教会でミサに与(あずか)っていた婦人は、異常な物音に不安を感じたが、神父様が「大丈夫、心配はない。何事も起こらない。」といまいましそうな表情で語っていた。妻子を助けようとして天井を破り、外に脱出させたのに、自分だけ助かってしまった男は、「コンクリートの家さえ押し流された。もう、何も信じられない。」と言って泣いた。
一体、神はいるのか?!生存者はそう叫ぶだろう。こんなに信仰熱心な町だったのに。大学が二つもあって、博物館も各種施設も整った、美しい町だったのに。しかし、信じる者は、それでも絶望しない。自分の魂を励まし、「神を待ち望め。私は必ず再び主の助けを受けて、主をほめたたえるに至る。」と言う。昼には変わらざる主の慈愛が私を包み、夜には感謝の祈りが天に向かって捧げられる。それが神と私の関係なのだから。神を知らざる者がどんなにののしり、私の心を傷つけようと、神は愛のゆえに最善をなしつつあり給うのだ。私は信じます。