(ヨブ記第15章)
神を恐れ敬い、神の前に祈ることを怠らない正しい生き方をする人は神の祝福にあずかるが、信仰を捨て祈らず、かえって神に怒りを向けて取り乱し、いら立ちの目つきをする、いまわしく腐った者は一生の間、もだえ苦しむ。一時期、栄えることがあっても長続きしないし、繁栄の最中でも絶えず刺客に狙われる不安と、虐げられた者たちの恐ろしい叫び声に悩まされる。子孫は絶え、事業は実らぬ先に崩れる。
これが先祖が語り伝えてくれた人生知だ。神以外のものに頼るな、神に反逆するな、という知恵以外は全て空しい。
エリパズはこう言ってヨブをいさめた。エリパズの発言は一面の真理であるが、神を恐れぬ不敵の者で地上の繁栄を納めて大往生する、という現実もある。神に従いながら苦しみの連続という現実もある。それがヨブの疑問だ。「神の御旨に従って苦しむ人もいる。(Ⅰペテロ4:19)」、「神と富とに兼ね仕えることはできない。(マタイ6:24)」、「富むことを願い求める者は誘惑と罠に陥る。金銭を愛することは全ての悪の根である。(Ⅰテモテ6:9~10)」