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10月 常識に縛られない新しい生き方 ~「第2回丹波若者セミナー」を終えて~

2019年9月21日~23日の3日間、「丹波の宿恵泉」を舞台に若者セミナーが行われた。
今回のテーマは「常識に縛られない新しい生き方」、講師は木下肇さん・愛さんご夫妻。地元「丹波の宿 恵泉」と「丹波惠泉塾」の仲間たち9名に、3名の証言者を含む外部からの参加者10名を加え、余市、札幌、京都、金沢、上田、大阪、熊野、三田、松山、姫路から丹波に結集した総勢21名の集まりとなった。
今回は男性が多く、いつかどこかで同じ釜の飯を食ったことがあるという仲間たちと、気のおけない空気の中で会は進められた。また、料理は和食中心でどれも美味しく、掃除の行き届いた清潔な建物、壷湯のある癒しの風呂など、家庭を越える温もりや気配りの細やかさが伝わってきて、「ほっ」とさせてくれる会場「丹波の宿 恵泉」にはみんな大満足だった。
そんな中で、「常識に縛られない新しい生き方」を求めて、真摯に学ぶ若者たちがいた。何のために生きるのか? 幸せとは何か? 人の世の常識に縛られやすく、生きづらく、どこか不自由な私たちが、その生き方を根っこから変えるためには、何をどうすれば良いのか。
木下愛さんのメッセージからは、肇さんと愛さんを結婚に導いた神様が、25年の波乱に富む歳月を通して、どのようにお二人を「神のための人生」へと導いてこられたかが語られ、聴く者に神の愛が伝わった。4人の子育て、4人の老人介護や看取り、「小さな惠泉塾」での若者を育てる取り組み…、そうした労苦の多い現実を、楽しく、力強く乗り越えられたのは、人の世の常識に縛られない新しい生き方を神様が教えてくださったからだという。
召団・惠泉塾・ヴィタポートの継承という気が遠くなるほど膨大な使命を、水谷先生を通して神様から託された夫。その肇さんを支える日々の中、生き方の土台が「神の国づくりに邁進する」ことに定まり、あらゆることは神のご支配の中で起こっているとして肯定でき、神が支えてくださると信じられるので、どんなに現実にあっても平安があるとおっしゃる。「介護は楽しい。看取りは最高に命の輝くすばらしい現場!」と肇さんもおっしゃる。これは世間の常識を覆す発想ではないだろうか。
愛さんが結婚を決めたのは、ガラテヤ書6章2節「互いに重荷を担い合いなさい。そのようにしてこそキリストの律法を全うすることになるのです」という御言葉によるそうだ。実際に今、彼女はこのグループに託された「神の国づくりに邁進する」という重荷を、夫と担い合う塾生活を送っている。人の世の常識に縛られない新しい生き方とは、神の国の常識で神のための人生を生きることだ、と分かりやすく図に書いて説明された。
何のために生きるのか? 答えは、人間は神のために生きるよう望まれて世に生み出されたということ。惠泉塾も神のためにある。人の世の常識から言うと、こんなことはあり得ない、非常識だ、と思うところからの出発だった。自分の力で人生を輝かせて豊かなものにしようという発想は常識的だが、その発想では「永遠の命」は得られない。そんな思いは捨て、自分は神のために生きている、ときっぱり言えるようになろう。神に完全に支配されている、と実感できるようになろう。そういう“存在の変化”があるとき、人はハッとする。常識を超えた存在者との出会いが相手に強烈なインパクトを与える。感化力をもつ。木下肇さんはそのように若者に熱っぽく語り掛け、聖書からメッセージを送られた。
若者ばかりではない。誰しも老いてなお永遠の命に生かされ、神の仕事に役立ちたいと願う。そのためには常識的な生き方を捨て、神の国の常識で神のために生きようと決意し、完全にシフトチェンジすることを神から求められているのだ、と学ばされた。
愛し合うところに神の喜ばれる空気が生まれ、人の常識を超える驚くべき変化が生まれる。最後の集会は「現場報告」。丹波の宿、丹波マリア、丹波惠泉塾の若者たちの生き生きとした報告を聞いて、この新しい生き方に触れた参加者は大いに魂を奮い立たされ、感動をもって帰途についたことだろう。セミナーを準備してくださった方々すべてに感謝して。

(余市惠泉塾 長野初美)