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11月 コロナ禍の「日本キリスト召団 第2回夏期福音特別集会」を終えて

一 異色づくめの集会

今年6月に予定されていた日本キリスト召団の夏期福音特別集会は、なかなか衰えを見せず、終息の気配のないコロナ禍の中、8月1日に受洗者や関係者だけが集まって行われた洗礼式に続き、同じ余市のホテル水明閣で、10月22~25日までの4日間行われました。参加者を北海道内外併せて120名と定めましたが、全国、またアメリカからのスカイプ参加者220名を加えると340名となり、過去最高の参加者数となりました。
現地に集合するほか、自宅に居ながらにして参加できるという、インターネットの恩恵にあずかった初めての集会でもありました。信仰の仲間たちが同時に空間を越えて繋がることのできる不思議さ、ネットワーク拡大効果の素晴らしさを目の当たりにしました。時代の趨勢の中、コロナ禍が生んだ思わぬ副産物だったのではないでしょうか。造り主なる神様は、世のあらゆるものを御自分のために聖別され、善用なさる方であることを、私たちは今回の聖会を通しても証しすることができます。主の聖名を褒めたたえずにはいられません。
水明閣会場での参加者に対しては、ホテル側の要請を全面的に受け入れたコロナ対策として、手指消毒、検温、手洗いの励行、マスクの着用、三密回避、ソーシャルディスタンスなど、細心の注意が呼びかけられました。食事のとり方や聖餐式の持ち方などにも工夫が凝らされ、いつもと違う異色づくめの集会でしたが、会場に流れていたのはいつもながらの年に一度のエルサレム詣でよろしく、参加者一人一人が醸し出す聖地の空気感でした。

二 テーマ「神の招き ―神のための信仰―」

集会のテーマは「神の招き ―神のための信仰―」でした。神のための信仰がどんなに恵み豊かなものか、その信仰で50年歩み続けられた水谷幹夫先生が、「惠泉塾」という実りを見せてくださっています。それも25年の長きにわたって…。惠泉塾は天国ではありませんが、天国を目指す信仰生活共同体です。愛し合わねばただの寄り合い所帯ですが、愛し合うとき、有機体的生命体に変質します。生命体には命があるので、必然殖え広がり、人を吸い寄せずにおれない魅力的な群れに成長します。その通りの現実が目の前にあります。家族6人から始まって今、370人を擁する聖なる群れとなりました。神のための信仰を生きる水谷先生に託されたのは、宇宙大の、とてつもなくスケールの大きな仕事でした。これだけすごい現実に、誰よりも水谷先生ご自身が圧倒されているそうです。
悪魔に騙されて幸いを得られず、いたずらに年月を重ねて疲れ果てている私たちを、神様が呼んでおられる。「神の命で生きよ。そこでくずおれてはダメだ。立ち上がって、私に帰ってきなさい!」と神が呼び求めておられる。私たちが求める以上に…。この招きが聞こえない多くの人々に、神に代わってぜひこの声を届けたい。そのような思いでこのテーマを選んだ、と水谷先生は基調講演で語られました。
神の招きを知り、神に背を向けていた罪を知って悔い改め、罪から解放されて楽になったら、その自由を野放しにせず、もう一歩前に出よう。もう一歩神の側に出て「主よ、私をあなたの奴隷にしてください」と申し出よう。先生はそう語られました。自由を使いこなせる人などめったにいないのだから、そう嘆願したパウロは賢明だった、と。神の側に立って、神のために生きる人生を選び取ってゆくと必然、悪魔側に行く道は遮断され、神の側に行くしかなくなり、そこで、神の恵みの豊かさを知って感動する。だから、そこまで行け、それを身につけるところまで行け、と熱く語られました。
「神の恵みを本当の意味で知らないと、虚飾に満ち、悪魔に支配された世に騙されたり、その信仰が上がったり下がったりして不安定です。自分のための信仰だからです。神の奴隷になって、本当の恵みを知ると、神の守りがあるので、安心が来ます。不安がなくなります。その人に担える任務、最善の仕事が与えられます。今も生きて働く神が共にいてくださることが分かります。そんなすごい世界を見せられ、実際にそこを歩むことを許され、驚きと感動と真の充足感に魂が震えます。だからこそ多くの人をこの世界に招きたいのです。私たちは一人でも多くの苦しむ友にこの現実を見せて、そこへと招き入れる特権にあずかっています。何と素晴らしい、やりがいのある仕事でしょう。」
基調講演はそのように締めくくられました。それに続く4日間の集会は、ゆったりと流れる信徒同士の交わりの空気の中で祝福され、メッセージやデボーション、賛美や証やコンサートの一つ一つが神様に喜んでいただける献げものとなりました。心から感謝します。

三 霊的指導者按手式、総評

第3日目の午後には「霊的指導者按手式」が行われました。これは、聖書の神の御思いに従う水谷先生のご判断により、日本キリスト召団という群れが自然消滅していかないよう、創設者から次世代へスピリットが確実に継承されるために実施されたものです。私たちは、異なるものが互いに愛し合って一つになる世界づくりを目指す、特異な群れです。3人の異なる霊統と個性の霊的指導者が、愛し合い協力し合うことによってますます神に祝福され、主の御前に群れが正しく導かれるよう、先生はお一人お一人に按手され、「主よ、私に与えてくださった大きな恵みを余すところなく3人に分かち与え、あなたのために存分にお用いください」と祈られました。
最後に、閉会式の総評で、水谷先生が3人の霊的指導者のメッセージを総括されました。
中世の教会堂に天井の高いドームがあるのはなぜでしょうか。楽士が奏でる音色は個々の肉体が持つ音階が違うので調和せず不協和音(そば鳴り)になるそうですが、高い所にある「調和点」に達した音色だけは一致し、増幅され、低い所で聴いている人々に美しく響くそうなのです。
惠泉塾の目指す愛し合う世界、すなわち天国は、高い所にある「調和点」です。けれども、地上の惠泉塾は未だ完全ではありません。天国的な世界づくりを目指して「神のための信仰」を養われていますが、なお愛し合えない、そば鳴りがうるさい、という現実があります。もし、私たちが犠牲を厭わず愛し合うならば、さまざまな音色が調和点を見いだすように、どんな個性的な意見も調和し、不思議な一体感に包まれ、美しいハーモニーとなって低い所にいる罪人の求道者の心に届きます。世俗社会で欲望の虜になってはいても、謙遜にされた、砕かれた魂には響くのです。「調和点」は高い所に、「神の招き」は低い所にありました。神の極上のパン、命のパンは高い所から低い所にもたらされるものだったのです。―― 今回、3つの異なるメッセージの調和点を見いだされた水谷先生は、そのようにまとめられました。

四 おわりに

「神の招き」に応え、「神のための信仰」へと飛躍する人はまた、神の求める人です。徹底的に神本位に生きるクリスチャンを神は探し求め、ご自身の大切な真理を啓示してくださいます。その人の行くところ、たった一人であっても「愛し合う世界」が実現し、調和点が生まれてそこが天国となり、地上で天国的な世界を押し広げることができるからです。
それまで誰も注目しなかった「神の秘められた計画」。この奥義を水谷先生に啓示してくださった主なる神様、先生に続く我ら日本キリスト召団員一人一人に霊を注ぎ、筋金入りの信仰者にしてください。そうして、この素晴らしい任務を全うさせてくださり、次世代に、確実にスピリットを手渡すことができ、雄々しく死ぬことができますように。アーメン