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12月 今シーズンの惠泉塾終了に寄せて

 11月30日(日)で今年度の惠泉塾活動が終了した。  今年の入塾生は、当初ゼロだったが、一週間の

体験入塾をする中から塾生として訓練を受けたいと願う若者も現れ、老いも若きもそれぞれに目標を持って家族生活を営む70有余人の信仰生活共同体が一シーズンを共にした。  たまたま同じ時期に惠泉塾にやって来た、見ず知らずの人間同士が突然家族になる! そういうことは普通、常識ではあり得ないが、これが、北海道の開拓について「若者の集い」で勉強しているとき、屯田兵と似ている!と発表した若者がいた。何年という期限付きで生活に必要なものすべてを与えられて開拓と警備に当たり、その後には自立して生活に当たらねばならないという約束が屯田兵にはあったのだ。しかも、北海道のどの土地に行くのか、どの群れと協力して兵村をつくるのかは、輸送船の中でのくじ引きによるという。  運命を天に委ねて新天地の開拓に希望を託した、そのような人たちが礎となって今日の北海道はある。人生に行き悩む惠泉塾の若者たちも、この投げ出しの命がけの開拓精神には大いに魂を奮い立たされたようだ。私たちはどのように生き、何を後世に引き継いで遺していくべきか、皆で一緒に学び合えたこの一年は充実していて幸福だった。  そのシーズン終了間際、11月1日より始まった新しい動き、塾内「小さな惠泉塾」の発足は、試験的試みながら、特に水谷先生ご夫妻の実践が注目を集めている。その名も「元祖惠泉塾」! 最近のニュースレター253号から先生の実践報告を抜き出してみた。  「塾生は大勢育って、家に帰り、社会参加し始めています。その中にまれに教育効果のあがらない塾生がいます。方々の惠泉塾を巡り歩いて、どこに行っても古い自分から脱け出せず、振り出しに戻ってしまうのです。その彼らが私に直接指導を受けたいと申し出てきました。私は一念奮起して、最近、彼らを相手に『小さな惠泉塾』を再開しました。すると、70人規模の生活共同体ではなし得なかった確実でスピーディーな成長、変化が毎日見られ、それを実感した塾生自身が感動の声をあげるではありませんか。私たちが始めた最初の惠泉塾はいつもこんな感じでした。十字架と聖霊に基づく愛の実践は、いつでもどこでも驚異的な教育力と治癒力を発揮するのです。」  余市惠泉塾の人間回復の仕事は、キリスト教の感化力をもってする、この時代一番の社会貢献だと、私たちは考えている。