2011年3月11日の大震災と津波は、人間の築き上げたものが、自然の力の前にいとも簡単に崩れ去って
しまうという現実を私達に突き付けました。日本人が経験したこの苦しみを、この時代に生きる我々はどのように乗り越えようとしているのでしょう。崩壊したものは町並みだけではない。67年前の敗戦で、焼け野原になった国土を再建し、どん底から這い上がろうとした心意気は今の日本人には無い。政治、経済、教育、あらゆる分野で行き詰っている。そのような中で起こった震災とは、我々の生き方を根底から問い直す出来事でした。
この国に生きる者として、これからこの国を背負っていく若者たちに対して、大人としての責任があります。札幌キリスト召団の働きである惠泉塾は、小さな生活共同体ではありますが、壊れた人間を再建し、生きる力を身につけさせ、将来への希望を与えることのできる、闇の世に輝く光です。この世で生き悩んでいる若者たちが元気になっていく姿に希望があります。共に生きることで、彼らの内に灯された輝きにこそ、崩壊した日本を再建する希望があります。2013年もいよいよ外に向かって、この光を投じていきたいものです。