札幌キリスト召団員に宛てて発信しているニュースレター「波止場便り」247号は、水谷先生引退後、初め
て水谷幹夫の名で発送されました。8月2日に亡くなられた二男水谷元信さんの人生を振り返って、8月24日の葬儀式で発表されたものの全文です。「翼をください」と題する文章に込められていたのは、父、水谷幹夫としての痛恨の愛の表現でありました。水谷惠信としては決して見せなかった素顔の愛の真実でした。 また、葬儀を締めくくる挨拶の中で、「彼は親父の仕事の、とばっちりを引き受けながら死んでいった。そういうことですから、人には美しく見えませんけど、一種の殉教者のようであります。精一杯苦しんで、そこから解放されたいという叫びを、亡くなる2日ぐらい前にドアの向こうで歌って、そして爽やかな口笛を吹いて、それが最後だったようです」と仰られました。神様から生を受けて28年間の人生を、このように父親から評価され、仲間として認められて次の世に旅立った息子は、幸いなるかな!と、神に感謝と賛美を献げずにはおれません。なぜならば、彼の希望は適えられたからです。 「僕は将来、大波さんのように大工になって、パパの隣に家を建てて暮らすんだ」「私はあくまで父に喜ばれること、生涯父と共に暮らすこと、互いに分かり合い、共に笑い合い、尊敬し合えることを望んでいます」と言い残して逝った息子の死は、永遠に父親の支えとなり、励ましとなり、忠告となって心に生き続けるのですから。 人の生き死にを超えてサタンに打ち勝つ勝利者イエス・キリストを信じる、それがキリスト教の信仰だと、この父親と息子の愛の交歓を通して教えられたような気がします。謹んで、元信さんの魂が主の御元で永遠の安らぎを得られることをお祈りします。