「私について来なさい。あなたを人間をとる漁師にしてあげよう。」イエスにそう呼びかけられて、ペテロはすぐに網を捨ててイエスに従った。彼は自分を支えて来た生活手段を捨て、人前に誇り得る漁師から一介の男になりさがって、イエスについて行った。彼にとっての支えが網から人間イエスに変わったのだ。ペテロは人間イエスの偉大な力によって人生を意義あるものにしよう、と思った。ところが、そのイエスが権力者らに苦しめられ殺される、という話をイエス自身の口から聞いて、「主よ、とんでもないことです。」とイエスの行動をおしとどめようとした。ペテロは自分にとってイエスを失うことが耐えられなかったのである。そこで主は言われた、「あなたは神のことを思わないで人のことばかり考えている。それはサタンの思いだ!」ペテロの期待を裏切るようにイエスは十字架上に殺され、ペテロ自身も「死に到るまであなたと共に!」と言った自分の誓いを破って主を裏切り、頼るべき一切を失った。ペンテコステはこうした砕かれた魂にこそ実現されたのである。主の前に一切を捨てなさい。