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聖書随想~神への徹底した信頼

(ヨブ記第21章)

 

ヨブの信仰の根底には自己信頼と神不信が巣食っていた。それは徹底的な現実の苦悩と友人からの痛烈な批判の嵐に曝されて初めて明らかにされたヨブの信仰の本質だ。ヨブは神を尋ね求め、直接にお会いして自分がいかに正しく神の御旨にかなった生き方をして来たか訴え、無罪放免の証しを掴みたい、と叫んでいる。しかし神は暴君のように自分本位で、好き勝手な決定を下し実行されるから不気味で恐ろしい、と言う。

ヨブは長い苦しみの中で、神の愛に徹底した信頼を寄せることができなくなっている。それでいて、神を信じ切ることのできない駄目な自分、という告白にはならない。こんなに神に尽くして来たのに、こんなに一生懸命仕えて生きて来たのに、と自分の過去の歩みの輝かしさを神の前に持ち出して、それで幸いを買い戻そうとする。

神は砕け悔いた心を喜ぶお方であって、愛のゆえにご自身の決定を幾度でもくつがえし給う自由な方である。ヨブはそれに気づかねばならない。