(ヨブ記第24章)
ヨブは現実の社会矛盾と都市、農村で頻繁に起きている犯罪を列挙して神の正義はどこにあるのか、と訴える。救いを求めても神はその祈りを顧みられない、否、かえって権力者らの味方になって、一般の者が希望を失うような場合にも彼等を支えて立ち上がらせ給う、と神を告発する。紀元前500年のヨブの時代も今も、人間社会の現実は本質的にあまり変わらない。
主イエスの御在世当時も同様だった。主は当時の貧しい人々や矛盾に満ちた社会に向かって何と言われたか。主は熱心党にくみして社会改革に向かわれはしなかった。弱い人々を虐げている制度の変革さえ企図されなかった。主は唯、「信仰の深みに乗り出せ」と言われ「私が一切の解決に至る道だ」と言われた。「神と共に歩め。そうしたら日用の糧は全て添えて与えられる。」と言われた。愛と従順に基づく神中心の生き方をするところから社会矛盾は解消し、貧しい友、弱い友が幸いを得る、と教え給う。