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聖書随想~金持ちになるか有徳者になるか

(ルカ福音書第12章22~34)

 

私達は金持ちを羨みはしても腹の底では軽蔑します。しかし、人徳のある人は、たとえその人が貧乏であっても、私達は軽蔑することができません。むしろ尊敬の念が自然な形で湧いて来るのです。有徳の人は棄身(すてみ)で他人に尽くし、施しのできる人です。有徳の人は愛に満ちて、物欲から解放されている人です。私達はどうしたらこんな人になれるでしょうか。この世だけで帳尻を合わせる生き方をしていては、駄目です。悲惨な現実によってあおられ、かき立てられる不安や恐れ、神を知らざる人間はそれを自分の力で克服せねばならぬと焦るが故に、衣食の為の貯えに乗り出し、必要以上に「備蓄しよう」と貪欲になり、その為に思い煩い、苦しみを生み出すのです。こうした人は自分の苦労だけで精一杯で、とても人に施しをする余裕などありませんから、金持ちにはなっても有徳者にはなれず、終末で帳尻は赤字に逆転します。