余市惠泉塾のクリスマス伝道集会は12月19日に惠泉虹の家で行われた。10月の惠泉塾見学会で本当の豊か
さや命溢れる生き方に興味を持たれた方に“魂の救い”を伝えることをねらいとし、地域の方など参加者32名を集めて神の恵みに満ちたひとときを共にした。 見学会参加者の一人で印刷会社のSさんは帰宅後、深い鬱に苦しむ近くの母親を訪ねて惠泉塾のことを伝えたそうだ。生きる意欲の低下、医療への不信、不眠や体の痛みなどを訴える母親が興味を示したので、もう一度惠泉塾へ来たいという申し出を、後日受けた。 信仰は持たずともここには何かがあると直感したSさんは、1週間後、親に元気になってもらいたい一心で、両親、妻、娘を連れて札幌からやって来た。お母さんは初め階段を上るのもつらそうで不自由そうであったのが、早々に心を開いて語り出し、よくしゃべるようになってSさんやご主人を驚かせた。家で最近はずっとふさぎこんで表情がなく、誰に話しても理解してもらえないから、と諦めていたとか。Sさんから聞いた惠泉塾のこと、奇跡的な命の回復劇のこと、塾生が通院している病院のことなど熱心に質問し、医者に信頼して投薬を欠かさないことで治療に成功しているという話には、特に耳を傾けていた。 その病院が札幌にあり、家から歩いて通えることを知ってお母さんの顔が輝いた。「医者を信頼してもう一度治療に専念してみよう、そうすればきっと元気になれる!」と希望を持ち、そこに一条の光を見たのだろうか。しばらくの語らいの後、見学会でSさんが回った同じコースを皆で一緒に散策する。余市の自然が生まれ育った田舎を思い出させるのだそうで、ほっと解放されたような笑顔で昔の話をたくさん聞かせてくれた。そんな彼女の短時間の変化には家族全員、本当にびっくり! その日は結局、三時間ほど余市惠泉塾で過ごし、「来てよかった! クリスマスの集いにはまた来ます」と言い残して帰られた。 そして、約束通り、Sさんと二人で来てくれたのである。私たちが紹介した病院を訪ね、医者との信頼関係が結ばれて順調に治療が進んでいるとのこと。「化粧なんてする気も起きなかったのに…」と言いつつ、ほんのり薄化粧したお母さんの笑顔と嬉しそうなSさん。私たちは思わず主を賛美した。闇の中でどこへ行けばいいのか分からなかった人が光を見いだす日、道を見失って絶望していた人が希望を見いだす日、それがクリスマスであるなら、そこには確かにクリスマスが来ていた。 すでに惠泉塾という光を見ている私たちは、クリスマスを運ぶ者、クリスマスの担い手となるために伝道活動をしている。しかし、この日、私たちは伝道するというより、神様からクリスマスプレゼントをいただいたような気がした。