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6月 風薫る 惠泉塾の農作業 ~ 農園リーダー藤川和夫さんに聴く ~

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余市は、風薫る一年で一番美しい季節を迎えました。塾生、奉仕者、献身者、信仰訓練生、職業訓練生、ヴィタポート社員、ヴィレッジ、レストハウス、虹乃家の方々、と総勢80余名の余市惠泉塾メンバーは、一つ屋根の下で暮らす家族のように助け合って過ごしています。特に、農作業においては老いも若きもこぞって良い汗を流しています。
今年は雪解けが早く、ビニールハウスの組み立ても早くできて、たくさんの野菜の苗を育てました。また、4月末には、何と2日間で390キロのジャガイモを植えました。種類も、男爵、きたあかり、メークインのほか、とうや、十勝こがねという新しい品種が加わりました。「カレーに合うジャガイモを!」というスローガンのもと、農作業メンバーが一致団結、少人数ながら集中力を発揮し、リーダー曰く、今年はいつになく不思議なほど短時間で作業を終えることができた、とのことです。390キロの種芋が秋には約6トンのジャガイモになります。収穫したジャガイモは塾生活で最も大切な食糧になるほか、貴重な無農薬有機栽培商品にもなります。惠泉農園・アモスファクトリーでは今秋、ニンジン、タマネギ、ジャガイモを「よいちカレーセット」として売り出し、全国にPRする予定です。
5月中旬には、ナス、キュウリ、トマト、ピーマン、ナンバン、トウモロコシなどが続々と畑に植えられました。また、1万本のタマネギの苗も、2日半で植え終わりました。例年小粒でサイズもSかM、化学肥料を入れないと大きくならないと言われるタマネギですが、今年は土壌改良に力を注ぎ、鶏糞、ヤギ糞など無農薬の堆肥を混ぜての土づくりに努めました。苗代を考えると、買った方がずっと安上がりです。けれども、無農薬のタマネギは甘くて貴重品です。不可能を可能にしてくださる神様のご支配地・余市惠泉塾の畑で、あらゆる知恵と力を注ぎ出し、愛し合って一つとなる、を目指して今年もタマネギをつくっています。「よいち」での私たちの労働を神様が祝福してくださり、水谷先生のおっしゃる「Lは無理でも全部Mサイズのタマネギ」がたくさんとれますように。
一方、粘土質で水はけが悪く、根菜類ができないと言われている通称「新畑」には、土壌改良3年計画が実施されています。農業改良普及センターに相談して、5月中旬に約40キロのえん麦を蒔きました。えん麦は成長が早く、約2ヵ月で1メートルに達すると言われます。土壌改良計画とはそれをトラクターで鋤き込み、土壌の質を変えるというものです。そこにも、何とかして畑を良い土に生まれ変わらせたいとの祈りが込められています。
少し離れた余市町栄町にある畑では2年前、初めて野菜を育てましたが、三分の二は土が瘦せて小さなジャガイモしか取れませんでした。そこで、今年は徹底した石拾いと、鶏糞、ヤギ糞など自家製の無農薬堆肥による土づくりに努めました。今年初めてのジャガイモ、「とうや」「十勝こがね」は、この畑のために選ばれ、試験的に植えられたものです。
こうしてみると、改めて作物を植える土壌の大切さを思います。イエス様は福音の種を蒔くたとえ話で、道端や石地や茨だらけの土地には種を蒔いても根付かないと言われました。しかし、良い土地に蒔かれた種は、芽生えて100倍、60倍、30倍の実を結んだ、とあります。土地は“心の土壌”のたとえでもあります。石ころや茨だらけで固い岩盤のような心では、良い実りを期待することはできません。農業でも信仰でも一番大切な土づくりを怠ることなく、耕された柔らかい心に神の言葉を受け入れて生活実践に繋げたいものです。そして、畑においても、魂においても、豊かな愛の実りを収穫させていただきたいと願います。