9月6日早朝、余市惠泉塾は地震に見舞われ、丸一日ではあったが停電と断水に悩まされた。その前には迷走台風も到来し、終末を思わせる異常な気象が続いている。この天候不順の影響で、期待のサクランボは不作に終わった。他の果樹についても諦めかけていたというが、プラムの収穫が思った以上に良好であることが分かった。生食用には、例年2、30箱のところ、今年は68箱を発送でき、待っていてくださったお客様に届けることができた。さらに、ジャム用にも加工して、これから200~300瓶の製品を作る予定である。
果樹園同様、農園も、異常なほど降り続いた雨、低温傾向、日照不足に悩まされたが、収穫減が心配されたジャガイモに「奇跡」が起こった。農園リーダー藤川和夫さんの証より。
「降り続いた雨の影響で、ジャガイモの花が咲き終わる7月頃、かなりの数のジャガイモが横に倒れました。私の5年間の経験で初めての事態です。台風で倒れたのなら分かりますが、ただ雨が降り続いただけなのです。異常なほど毎日毎日降りました。ジャガイモの茎がバタバタと倒れる想定外の出来事に、農業改良普及センターにも相談し、ジャガイモの足元に土寄せした部分の土を復元しながら、倒れたジャガイモの茎を立て直す作業を行いました。作業中、土寄せした土はいつまでも濡れており、ジャガイモが腐ってしまうのではないかと心配でした。4ヵ所の畑でジャガイモを栽培しましたが、どの畑も被害を受けました。私はときどき様子を知りたくて試し掘りをしましたが、腐っていないと確認できる度にホッとしました。しかし、小さなジャガイモが多いのです。そのとき思いました。今年のジャガイモには期待できない。でも、小さなジャガイモでもいいから腐らないで収穫まで頑張ってほしい。そう祈るような気持ちで見守っていました。その後、雨はやみましたが、今度は全く雨が降らないのです。今年の天気は異常です。間もなくジャガイモは花が終わって枯れ始め、「浄水場裏の畑」に植えた男爵からスタートし、2ヵ所ある「元木の畑」で、きたあかりやメークインの収穫を行いました。少し掘ってみて私は大変驚きました。目を疑うような光景でした。腐っていなければ御の字だと覚悟していたのに、立派なジャガイモがたくさん出てくるではありませんか。さらに食べてみてびっくりしました。食感がよく、たいへん美味しいのです。あんなに厳しい試練を受けたのに、こんなに立派で美味しいジャガイモに育っているなんて…。人間の知識や常識では計り知れない神様の奇跡に感動してしまいました。神には何でもできる、不可能なことはないと信じてきたつもりでも、湖で沈みそうになったペテロのように不信仰だった自分を思い知らされました。「私は植え、アポロは水を注いだ。しかし、成長させてくださったのは神です」(Ⅰコリント3:6)の御言葉通りでした。世の中で一度死んだ自分も、神の一方的な憐れみによって惠泉塾に招き入れられ、神様に罪を赦していただきました。残りの人生、神の秘められた計画である、異なる個性が互いに愛し合って一つとなる世界づくりのために、与えられた使命を全うしていきたいです。」
神様のなさりように身を任せて生きる。野の花や空の鳥のように。置かれた持ち場で最善を尽くす。それが神様に喜ばれる生き方だと教えられ、地震が来ても台風が来ても病魔に襲われても、主の守りの盾の中で、今日も安んじて生きていられる私たち。この惠泉塾という愛の砦はこれからますます世界中で必要とされ、本物のクリスチャンという逸材も、ますます世界中で必要とされることだろう。誰よりも主ご自身がそれを切望しておられるゆえに。