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3月 「開拓者魂」を追いかける年のスタート!

 いよいよ3月2日(日)、余市惠泉塾が開塾した。水谷先生が18年前、高校教師の職を退いて人生最後のこ

の仕事に就いたとき、次のように語られた。  「私の人生最後の大仕事は、青空の下に出て、野山を舞台にシナリオの無いドラマを生きることによって生まれる実験教育だ。学校教育が放棄した困難な人間教育こそ、私の仕事だ。内村鑑三は聖書を講義することで多くの優れた青年を育てて世に送り出した。クラークも札幌農学校の講義の始めに話す熱っぽい聖書の話によって学生に多大の感化を及ぼした。“人生の学舎”の教科書は聖書をおいて外にはあり得ない。心は定まった。具体的にはどんな形になるのか分からなかったが、その時、既に別の理由で手に入れていた余市の果樹園7ヘクタールを舞台に全く新しい教育実践を始めることになった。1996年の春のことである。」  病院でもなく、社会復帰施設でもなく、疲れた人の保養施設でもない、惠泉塾という人生道場。強いて言えば全く新しい“学校”だと言えるかも知れない。前人未踏の道なき道を、聖書一巻だけ携えて、神様だけに信頼して、歩き始めたここに、大きな歴史の小さなスタートがあった。18年経って、水谷先生自身が舌を巻くほど壮大な神様御自身の活躍舞台が整えられ、悠然と営まれ続けていたのである。どこにでもある日常生活風景が繰り広げられる余市惠泉塾の日常は、しかし、決してどこにでもあるものではなかった。  実験とは、一回で成功する保証などない理科の実験と同じように、何度も失敗して当然のトライであり、アタックである。しかし、神と共に歩く人の実験すなわち人生は、必ず成功に導き入れられる。このことを世に証明するための18年であったのではないだろうか。  今年の「若者の集い」のテーマは「開拓者魂」。この惠泉塾に流れるフロンティア・スピリットに迫りたい。水谷先生が歩いたような道なき道を、聖書一巻を携えて真っ直ぐに歩いた人々の足跡をたどってみたい。たくさんの感動のドラマをこの歴史上、この北海道に追いかけてみたい。【写真:塾に飛んでくる野鳥】