ニュース&トピックス

3月『沖縄祈りの家』ついに始動! ~沖縄派遣者 加藤幸さんのレポートより~

2022年2月16日。北海道から水谷幹夫先生ご夫妻、清野喜久美さん、林智美さん、岸本みくにさん、小川弘子さん、三反崎あゆみさんの7名と東京から加藤和紀・幸夫妻の計9名で、『沖縄祈りの家』に入居しました。

やんばるの亜熱帯植物の生い茂る狭い山道を抜けると、パァーッと視界が開けた先にある白くて美しい建物。神様が私たちに、「ここに愛し合う世界を築くように!」と与えてくださった神様の活躍舞台、それが『沖縄祈りの家』です。ついに水谷先生自らの手によって、初めて灯が点されました。

祈りの家の食堂での初めての夕食。水谷先生の第一声は、「寒いね。空気が冷たい」。家財道具、生活用品はすでに部屋に置かれてあるので生活空間としての違和感はないのですが、人の生活から生まれる温もりがここにはないことに私たちは気付かされました。「これから僕たちが住むことで温かい空気に変えられていくよ」と先生はおっしゃいます。沖縄とは無縁だった私たち、また生活背景も異なる私たちが、神様と共苦労するようにとここに集められました。いよいよ、白亜の神殿『沖縄祈りの家』での愛し合う共同生活が始まったのです。

翌2月17日、初めての朝のデボーションは申命記12章。全国の召団員の皆さんと『沖縄祈りの家』が初めて繋がりました。こんなに近くで先生と問答できるなんて! 心地良い緊張感と感謝で胸がいっぱいになりました。「それぞれ自分が正しいと見なすことを決して行ってはならない」。申命記12章8節の御言葉です。私たちが神の掟に忠実従順に従って、愛し合う共同体をつくっていく上での一番大切な指針をいただきました。

デボーションの後はみんなで朝食作りです。「さあ、今日は何にしましょうか。 大根をたくさんいただいたから、味噌汁は大根と…油揚げにしましょうか? あと、納豆は免疫力アップのために食べましょう。お昼は何がいいですか?(残りご飯でチャーハンはどうですか?)いいですねぇ!野菜をたくさん入れてね、繊維質をとりましょ…」と、お父さんの水谷先生がホワイトボードの前に立って、子どもたち(私たち)一人一人の顔を見ながら意見を聞いてくださいます。

デボーションのときの厳しい表情とは打って変わり、満面の笑顔の先生に向き合って私たちも自然に笑顔になります。お父さんの味噌汁作り。子どもたちはただただ興味深く鍋をのぞき込みます。これだ!というお父さんの味が決まると、子どもたちにも味見させてくださいます。「美味しい‼」の一声。口の中に、だしと味噌と具材の美味しいハーモニーが広がります。ここでの食事作りは、みんな一緒に、役割分担することなしに、互いの動きを見ながら、必要なところに手を差し伸べ合いながら、黙して、そして何より楽しく!行います。

愛し合う食事作りの真髄を水谷先生は教えてくださいました。食事作りの他、掃除の仕方も教えてくださり、自らやって見せてくださいました。全身全霊の先生のトイレ掃除。トイレの床にひざまずき、便器の中に手を突っ込んで拭かれる先生のお姿には、私たちの中の汚れを清めてくださる神の愛を感ぜずにはいられませんでした。

2月20日の全国合同主日礼拝には、2年ぶりに沖縄全島の召団員が『沖縄祈りの家』の礼拝堂に集まることになりました。『沖縄祈りの家』での初めての礼拝です。私たちは沖縄惠泉塾の皆さんと共に礼拝堂の準備や愛餐の準備にあたりました。沖縄惠泉塾の皆さんと初めての共同作業です。私たちが愛し合うところに神様はご臨在くださる…。私たちは終始、祈り心をもって互いに目配り気配りしながら準備しました。

礼拝当日、次々と沖縄在住の神の家族が集まってきました。久しぶりの再会を喜び合い抱き合う姿、感涙にむせぶ姿。離れ離れになっていた神の家族がようやく『沖縄祈りの家』の礼拝堂に集合し、神様への熱い厚い感謝をもって主のご栄光を讃えました。ガランとしていた礼拝堂に人が集まり、命の灯が点され、祈りと賛美が会堂を満たしました。愛餐には豊かな心尽くしのお料理が並び、感染予防に留意しながらも、美味しく楽しいお交わりができました。

水谷先生はわずか1週間のご滞在で、この『沖縄祈りの家』に温かな愛の灯をポッと点してくださいました。この温かい愛の灯は、人生に疲れ果て、寒々しいこの世で孤独に苦しむ、心貧しい人たちを招くために灯されました。水谷先生の24時間は、どの場面を切り取っても、そこに「神への感謝」と「互いに愛し合う」が満ちていました。それ以外はありません。それを私たちは目の当たりにしました。自己犠牲の愛、「初めからあったもの、わたしたちが聞いたもの、目で見たもの、よく見て、手で触れたものを伝えます。」(Ⅰヨハネの手紙 1:1)

この愛の灯を、主人が帰ってこられる日まで点し続けること。それが私たちに課せられた任務です。それは私たちが互いに愛し合うことなしにはできません。

「わたしがあなたがたを愛したように、互いに愛し合いなさい。これがわたしの掟である。」(ヨハネによる福音書 15:12)

先生たちが帰られた後、派遣者5名の生活に新たに沖縄の仲間2名が加えられました。来月以降も順次、『沖縄祈りの家』で共に暮らす仲間が増し加えられていきます。「愛し合う」が拡大していきます。沖縄から日本全国へ、世界へと。主の聖名を心から賛美します。